『浅間国際フォトフェスティバル2021 PHOTO KOMORO(フォトコモロ)』が、2019年8月28日(土)~11月21日(日)の約3カ月間にわたって開催。会場となっているのは管理人の住む小諸市。国内外の作家によるアートフォト作品がJR小海線/しなの鉄道小諸駅駅舎周辺の屋内・屋外に広く展示され、小諸市街地全体がまるで巨大な展示会場になったようです。通勤・通学・買い物途中など、通りすがりにも見られる屋外の常設展示もあり、アートを身近に感じる良い機会にもなっているのではないでしょうか。管理人も小諸市内10カ所に展示されていた作品を網羅してきましたので、本記事で紹介します!
Contents
- 1 「浅間国際フォトフェスティバル」とは?浅間山麓の自然×アートフォトを五感で楽しむ祭典
- 2 浅間国際フォトフェスティバル2021 PHOTO KOMORO(フォトコモロ)の基本情報
- 3 【01】「Boat」by 小池健輔 @小諸城址懐古園酔月橋(すいげつばし)
- 4 【02】「Shadow in the house」by 大坪晶 @小諸城址懐古園武器庫
- 5 【03】「GINZA TOKYO 1964」by 伊藤昊 @小諸城址懐古園馬場
- 6 【04】「Familie werden(家族になる)」by 山田梨詠 @小諸駅東西自由通路
- 7 【05】「光と影」by 森山大道 @小諸駅駅舎
- 8 【06】「’70s Tokyo TRANSGENDER」by 二本木里美 @旧スナック夕子
- 9 【07】「One of them」「No More No Less」「Unrest」by 小池健輔 @旧吉池歯科
- 10 【08】「Stray Dog」by 森山大道 @ほんまち町屋館
- 11 【09】「MOONLIGHT」by 水谷吉法 @旧大塚酒店
- 12 【10】「Self portraits」by Vivian Maier(ヴィヴィアン・マイヤー) @脇本陣の宿・粂屋(くめや)
- 13 小諸駅へのアクセスマップ
「浅間国際フォトフェスティバル」とは?浅間山麓の自然×アートフォトを五感で楽しむ祭典
「浅間国際フォトフェスティバル」は、2018年にスタートした国際的なアートフォトの祭典。
浅間山麓の美しい自然の中で、国内外の写真家のフォト作品を屋内外に展示し、その土地ならではの文化と融合させながら、写真を五感で楽しむことを発信・推奨するイベントです。
会期中は、フォト作品の展示だけでなく、関連イベントやワークショップが開催されることも。
従来の写真といえば、平面、静止画などが定番のスタイルでしたが、浅間国際フォトフェスティバルで見られる作品は動いたり、形が変わったり、立体的に見えたりなど、それまでの写真のイメージがガラリと変わります。
管理人は、小諸市のお隣りにあり、同じく浅間山麓に位置する御代田町(みよたまち)で開催された「浅間国際フォトフェスティバル2019(PHOTO MIYOTA)」に行ったことがあります。
↑こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください!
そして2021年は、なんと、管理人が住む小諸市での開催が決定。小諸市街地全体が巨大な展示会場となり、駅周辺にある屋内外の施設に、国内外の優れた写真家の作品が展示されたのです。
訪れた人は、街歩きや観光を楽しみながら作品を鑑賞できるというユニークなスタイル。
屋外の常設展示もあり、市民は通勤・通学・買い物のついでに作品をながめられるという、なんともうれしい企画でした。
一部の作品をのぞき、基本的に入場無料で鑑賞できたのもうれしいポイント♪
浅間国際フォトフェスティバル2021 PHOTO KOMORO(フォトコモロ)の基本情報
・名称 | 浅間国際フォトフェスティバル2021 PHOTO KOMORO(フォトコモロ) |
・開催期間 | 2021年8月28日(土) ~ 11月21日(日) |
・休日 | 会期中無休 ※脇本陣・粂屋の展示は火曜・水曜休み |
・開催時間 | 9:00 ~17:00 ※常時鑑賞可能な施設あり ※旧吉池歯科・旧大塚酒店の展示は10:00~17:00 ※脇本陣の宿・粂屋の展示は11:00~16:00 ※小諸駅駅舎の展示は6:30~19:30 |
・会場 | 小諸駅周辺の屋内・屋外施設 |
・入場料 | 無料 ※小諸城址懐古園入場には散策券(大人200円・中学生以下50円)が必要 |
・駐車場 | あり(市営駐車場) |
・支払方法 | 現金(小諸城址懐古園散策券の購入時) |
・URL | https://asamaphotofes.jp/ https://www.facebook.com/asamaphotofes.jp/ https://www.instagram.com/asamaphotofes.jp/ |
お車でお越しの際は、小諸駅から近い市営駐車場の利用が便利です!
ここからは、小諸市内10カ所に展示された作品を1つずつ紹介します!
【01】「Boat」by 小池健輔 @小諸城址懐古園酔月橋(すいげつばし)
小諸城址懐古園(こもろじょうしかいこえん)内にある酔月橋(すいげつばし)には、小池健輔(Koike,Kensuke)氏の作品である、ボートに乗った男女の姿が印象的な超巨大アートフォトが展示されていました。
実際は橋の下に川は流れていないのですが、まわりの景色にとけこんだ作品をながめていると、そのように見えてくるから不思議です。
本作品は、橋の上からは見られないので、付近にある東屋(あずまや)の方へ進み、東屋を背にして、酔月橋の方を振り返るのがポイント。
こちらの作品は、ボートの中をよく見ると、浸水しているんですよね。。。
女性の顔が不安そうに見えるのは気のせいでしょうか。
作品にどんなメッセージが込められているのか、考えながら鑑賞するのも楽しいと思います。
また、訪れるシーズンによって周りの景色が変わるので、それにともなって作品の見え方に違いが出るのも興味深い点です。
ちなみに本作品は、酔月橋を渡って懐古園を出ると、近くにある鹿嶋神社(かしまじんじゃ)の境内からも見られますよ。
鹿嶋神社に行ったら、ぜひお参りもしてくださいね!
- 展示場所:小諸城址懐古園内酔月橋(小諸市丁311)
- 開催時間:9:00~17:00
- 特記事項:入場時に小諸城址懐古園散策券(大人200円・中学生以下50円)の購入が必要
【02】「Shadow in the house」by 大坪晶 @小諸城址懐古園武器庫
先ほどの酔月橋の近くには「武器庫(ぶきこ)」と呼ばれる建築物があります。
江戸時代後期の大名で、小諸藩第6代藩主であった牧野康長(まきのやすなが)が1817年(文化14年)に建てた武器庫を再建したものだそうです。
武器庫の入口に近づくと、すぐに展示作品が目に飛び込んでくるのが印象的。
武器庫の中はうす暗いのですが、大坪晶(Otsubo,Akira)氏の作品には光が見えて、そこに本当に窓があるかのようです。
入口を入って右手にある階段をのぼると、2階にも作品が展示されていました。
階段を上がってすぐに見えてくるのが、幻想的な光で浮かび上がるベッド。
その光加減といい、被写体のテイストといい、武器庫のうす暗い空間に非常に良くマッチしていました。
まるで、2階が本当のベッドルームであるかのように錯覚してしまいます。
PHOTO KOMOROの全出展作品の中で、管理人は大坪晶氏の作品が1番気に入りました!
- 展示場所:小諸城址懐古園内武器庫(小諸市丁311)
- 開催時間:9:00~17:00
- 特記事項:入場時に小諸城址懐古園散策券(大人200円・中学生以下50円)の購入が必要
【03】「GINZA TOKYO 1964」by 伊藤昊 @小諸城址懐古園馬場
小諸城址懐古園の武器庫の南側には、「馬場(ばば)」の跡地が広がります。
馬場とは、馬上から弓や槍を振るための乗馬の鍛錬が行われていた場所です。
馬場には、伊藤昊(Ito,Ko)氏による、1964年に開催された東京オリンピックに沸く銀座の様子を写した作品がたくさん展示されていました。
それから57年経ち、再び東京オリンピックが開催されることに。
管理人は前回大会を知らないので、当時の様子を垣間見られて良かったと思いました!
パネルの表側・裏側、両方に作品があり、かなり見ごたえがありました!
- 展示場所:小諸城址懐古園馬場(小諸市丁311)
- 開催時間:9:00~17:00
- 特記事項:入場時に小諸城址懐古園散策券(大人200円・中学生以下50円)の購入が必要
【04】「Familie werden(家族になる)」by 山田梨詠 @小諸駅東西自由通路
小諸駅から懐古園に抜けられる東西自由通路には、電車の中吊り広告を想起させるようなフォト作品の展示がありました。
小諸駅の改札を出て左手に進むと、東西通路の階段が見えてきます。
階段をのぼっていくと、通路の天井部分に、似たような写真が2枚ずつペアになった作品が展示されているのに気が付きました。
作品は、通路の端から端までずっと続いています。
個々の作品を見ていくと、よく似た2枚の写真がならんでいますが、こちら側から見て右側の作品は、左側の写真を再現を試みて撮影されたものなのです。
さらに!再現された方の写真に写っている顔は、よ~く見ると全部同じ人物。
その人物とは、本作品を手がけた写真家・山田梨詠(Yamada,Rie)氏なんです。ユニークなセルフポートレート作品ですね。
ただ、本作品をながめていると、家族のあり方、性役割、ジェンダーフリー、多様性など、さまざまキーワードが浮かび上がってくる気がしました。
男だから…、女だから…、母親だから…、父親だから…、ではなく、誰もが家族のどのポジションにもなれるのが理想形なのかもしれません。
右側の家族写真1人1人の顔が全部同じだと気づいたときは、思わず「おお!」と言ってしまいましたww
- 展示場所:小諸駅東西自由通路(小諸市相生町1-1)
- 開催時間:常時
【05】「光と影」by 森山大道 @小諸駅駅舎
小諸市の玄関口であり、本イベント・PHOTO KOMOROの起点でもある小諸駅の駅舎内では、大きなモノクロ写真が出迎えてくれました。
展示されていた作品は、写真家・森山大道(Moriyama,Daido)氏の代表作である「光と影」シリーズからの3点。
すべてモノクロですが、インパクトが強く、思わず見入ってしまう作品でした。
それぞれの作品が、撮影時にどんなシチュエーションだったのかが気になりますね。
- 展示場所:小諸駅駅舎(小諸市相生町1-1)
- 開催時間:6:30~19:30
【06】「’70s Tokyo TRANSGENDER」by 二本木里美 @旧スナック夕子
小諸駅前から続く「相生町(あいおいちょう)商店街」の一角に、「スナック夕子」と書かれた看板がついている建物があります。
ちなみに、、、管理人の末の息子(小2)は、この看板を「すなっくたこ」と読んでおりました(笑)
「スナック夕子」は閉鎖されており、もはや人の気配はありません。
商店街通りから少し奥まった場所にありますが、建物をおおうツタの葉っぱと、レトロなレンガの壁は、通りから目を引きます。
そして、この昔なつかしい雰囲気が、二本木里美(Nihongi,Satomi)氏の作品にジャストフィットしていました。
作品のタイトル「’70s Tokyo TRANSGENDER」にもあるように、モデルになっているのは、1970年代のトランスジェンダーの方々。
写真を見ただけではまったく気がつかず、タイトルを知って、びっくりしました。
当時は「LGBTQ」というワードすらなく、社会の理解も得られず、かなりの苦労があったのではないでしょうか。
それでも自分らしさを捨てずに輝こうとする凛とした姿が、作品を通して伝わってくる気がします。
建物の雰囲気と作品の相性がバッチリでした!
- 展示場所:旧スナック夕子(小諸市相生町2-2-2)
- 開催時間:常時
【07】「One of them」「No More No Less」「Unrest」by 小池健輔 @旧吉池歯科
昔、歯科医院だった建物に展示されていたのは、小諸城址懐古園酔月橋の超巨大なアートフォトの作家でもある、小池健輔(Koike,Kensuke)氏のユニークな作品。
作品が展示されていたのは、相生町商店街から本町に抜ける道の途中にある「旧吉池歯科医院」の建物。
こちらは屋内展示で、開館時間にのみ作品の観賞が可能です。
建物に入って、「順路→」の案内板のとおり、階段を上がって2階へ進んだものの、作品らしきものが見えてきません。
どこにあるのかな~と探していたところ、、、
部屋の中に顕微鏡(けんびきょう)が設置されていることに気がつきました。
さっそく顕微鏡の中をのぞいてみると、動きのあるユーモラスな写真が見えてきます。
顕微鏡は全部で3台。
それぞれ異なる作品を楽しめます。
歯科医院の名残が満載の建物、インテリア、小物などを一緒にながめて楽しめるのもGOOD!
- 展示場所:旧吉池歯科(小諸市大手2-3-4)
- 開催時間:10:00~17:00
【08】「Stray Dog」by 森山大道 @ほんまち町屋館
小諸市本町にある「ほんまち町屋館」の外壁に掲げられていたのは、小諸駅の駅舎内のモノクロ写真を撮影した、森山大道(Moriyama,Daido)氏の大型作品。
あまりにも大きい作品なので、最初に見たときは、クマの写真かと思うほどでした。
荒々しい表情をしている生き物の正体は、作品のタイトルにもなっていますが、クマではなく野良犬(Stray Dog)。
近年は、街中で野良犬を見かけることはほとんどなくなりました。
このような姿で、久々に目にするとは!
大きさといい、題材といい、迫力満点の作品です。
- 展示場所:ほんまち町屋館(小諸市本町2-2-9)
- 開催時間:常時
【09】「MOONLIGHT」by 水谷吉法 @旧大塚酒店
ほんまち町屋館のすぐそばにある「旧大塚酒店」には、屏風(びょうぶ)に仕立てられた、水谷吉法(Mizutani,Yoshinori)氏の作品が展示されていました。
写真なのに、絵画のようにも見える不思議な作品です。
こちらの作品は屋内展示のため、開館時間内にのみ鑑賞できます。
和の建物の雰囲気にもバッチリ合っていました!
- 展示場所:旧大塚酒店(小諸市本町2-3-3)
- 開催時間:10:00~17:00
【10】「Self portraits」by Vivian Maier(ヴィヴィアン・マイヤー) @脇本陣の宿・粂屋(くめや)
旧北国街道沿いにある、小諸宿の脇本陣(わきほんじん)の旅籠(はたご)であった建物には、Vivian Maier(ヴィヴィアン・マイヤー)氏のセルフポートレート作品がならんでいました。
「粂屋(くめや)」と呼ばれる脇本陣の旅籠は、江戸後期に建てられた建築物。
参勤交代の際に大名の家臣や役人などが宿泊していたほか、町人も利用していたそうです。
ヴィヴィアン・マイヤー氏のポートレートは、すべて黒い縁のある額におさめられていて、和の雰囲気にも違和感なく溶け込んでいました。
さりげなく飾ってあり、インテリアの一部のようになっている作品もあるので、お見逃しなく!
また、粂屋の定休日や閉館の時間帯は観賞できないので、注意しましょう。
- 展示場所:脇本陣の宿・粂屋(小諸市市町1-2-24)
- 開催時間:11:00~16:00
- 特記事項:火曜・水曜は定休
併設されている「茶屋くめや」もぜひご利用ください!
小諸駅へのアクセスマップ
・名称 | 浅間国際フォトフェスティバル2021 PHOTO KOMORO(フォトコモロ) |
・開催期間 | 2021年8月28日(土) ~ 11月21日(日) |
・休日 | 会期中無休 ※脇本陣・粂屋の展示は火曜・水曜休み |
・開催時間 | 9:00 ~17:00 ※常時鑑賞可能な施設あり ※旧吉池歯科・旧大塚酒店の展示は10:00~17:00 ※脇本陣の宿・粂屋の展示は11:00~16:00 ※小諸駅駅舎の展示は6:30~19:30 |
・会場 | 小諸駅周辺の屋内・屋外施設 |
・入場料 | 無料 ※小諸城址懐古園入場には散策券(大人200円・中学生以下50円)が必要 |
・駐車場 | あり(市営駐車場) |
・支払方法 | 現金(小諸城址懐古園散策券の購入時) |
・URL | https://asamaphotofes.jp/ https://www.facebook.com/asamaphotofes.jp/ https://www.instagram.com/asamaphotofes.jp/ |