浅間山の麓に位置する小諸。浅間山に降り注いだ雨や雪解け水は、長い時間をかけて湧水(わきみず)となり、その地域の貴重な水源となっています。小諸にも『弁天の清水(べんてんのしみず)』と呼ばれる、浅間山の名水を汲める場所があります。水質も良いようで、県外から水取りに来る方もいらっしゃるほど。私も頻繁に利用しています。
Contents
弁天の清水(べんてんのしみず)の基本情報
・名称 | 弁天の清水(べんてんのしみず) |
・利用時間 | 24時間 |
・住所 | 〒384-0043 小諸市大字諸250 |
・駐車場 | あり |
夏は冷たく冬は温かい!飲料水、生活用水、農業水など用途はさまざま
弁天の清水の湧水は、飲料水、生活用水、農業用水など、幅広い用途に利用できます。
地域住民の方が野菜などの農産物を洗っていたり、夏にスイカを冷やしていたり、などの光景が見られることもあります。地域の大切な水源なのだなあと実感しますね。
弁天の清水は湧水の量が豊富で、毎分約36リットル出ているという調査結果も。(参考: 一般社団法人 長野県薬剤師会公式サイトより )
私もよく利用していますが、雨が降らないカラカラな天気が続いても、弁天の清水は常に豊富な水をたたえています。
そして、夏は冷たく、冬は温かい水です。冬に温かい水というとちょっと語弊があるので補足すると、気温よりも水温の方が温かく感じるということです。
小諸も寒冷地でして、真冬に氷点下になるのは珍しくありません。冬場の-1℃や0℃なんて、「今日はあったかいね~」という部類(笑)
そんな厳寒の中でも水取りに行くのですが、外の温度よりも、湧水の方が温かく感じますよ!
弁天の清水のありがたい湧水は、いろいろな使いみちがあります。飲料水はもちろん、料理、お米とぎ、植物の水やりなど、本当に用途が広いです。
それから、我が家は熱帯魚を飼っているので、水槽の水替えにも利用しています。水道水と違って、カルキ抜きの必要がないので便利です。ただし、汲んできたばかりだと水温が冷たいので、少し時間が経ってから使っています。
弁天の清水の湧水は消毒されていません。湧き出た水そのものの天然水です。そのためご利用はあくまで自己責任で!
弁天の清水の湧水は浅間水系唯一の”軟水”
弁天の清水以外にも浅間山の湧水が出ている場所があるのですが、そのほとんどは、ミネラル分を豊富に含む硬水なのだそうです。一方、弁天の清水は”軟水”。この水を上水道に使っている諸周辺の地区も、水道から軟水が出るとのこと。
実は我が家の住んでいる地区は、別の水系になるので、水道から出る水は硬度が高めです。ミネラル分が多いので、蛇口の周りとかが白くなってしまいますね。
なので、わざわざ軟水器を使っているくらいです。今の家に引っ越してくる前に、軟水が出る諸に住もうかと考えていたくらいでしたよ!
この軟水を求めて、多くの方が弁天の清水を訪れるのかもしれませんね。
軟水はミネラル分は少ないものの、飲みやすく、体にもやさしいお水です。
県外からも水取りにやって来る!混雑時はゆずりあおう
弁天の清水には駐車スペースがあるので、車で行っても大丈夫です。ただし、車3~4台分くらいのスペースしかないので、混雑時は駐車できない場合もあります。
付近の道路にとめたまま待つことができればいいのですが、道が狭く、ほかの車とすれ違うのが困難なので、なかなかよい待機場所もありません。
私の場合、もし駐車場がいっぱいだったら、道を先へ進んで、少し道幅が広くなったところでUターンして戻ったり、近くのスーパーなどで買い物したり、ちょっと時間をつぶしてから再び向かうようにしています。
どの曜日のどの時間帯が空いているというのもなかなかわかりません。朝早く行っても混んでるときもあれば、晴れた日中にガラガラだっということもあります。それでも、土日や連休などは混むような気がします。
弁天の清水には、市内の住民をはじめ、県外からも多くの方が水取りにいらっしゃいます。混雑時は、ゆずりあって利用しましょう。
駐車場が狭いので、できるだけ多くの台数がとめられるように、詰めて駐車しましょう。
水場の上にはミニ公園あり!弁財天さまの祠(ほこら)も
弁天の清水の水取り場の上には、小さい公園があります。脇にある細い坂道を上がっていくと、左手にジャングルジム、すべり台、ブランコ、鉄棒などの遊具が見えてきますよ。
子どもと一緒に水取りに行くと、よくここで遊ばせてもらっています。そして、私は1人でせっせと水汲み作業に励むという(笑)
定期的に芝刈りなどの手入れもされていて、整備されている印象を受けます。
写真左に映っているのは桜の木で、春になるときれいな花を咲かせています。水場にこの木から散った桜の花びらが浮いているときがあるのですが、その風景が”いとをかし”です。
それから、この公園に向かう途中の左手、水取り場のすぐ上に弁財天さまの祠(ほこら)があります。金運の神さまなので、 ご利益が得られるように、ちょっと手を合わせてお祈りするのも◎
そうそう、私は弁天の清水に行った時に、小銭を洗うようにしています。
弁天の清水の湧水で洗った硬貨はとっておかずに、すぐに使います。こうすることで、お金の流れが良くなるのだとか。
運気をアップしたい人は、お試しあれ!
弁財天は七福神の1人で、唯一の女神ですね。金運のご利益が得られるようにお祈りしましょう!
地域住民が環境を整備しているきれいな水場!感謝しながら利用しよう
弁天の清水の周辺は、きれいに整備されています。これは、地域住民の方々が周辺美化と環境保全に努めているからです。
少し前まで、駐車場の入り口は水たまりができて泥々になるような状態でしたが、今は砂利が敷かれて、快適になりました。利用者が使いやすいようにと整備してくださったようです。
ですので、地域の方々に感謝しながら利用させていただくともに、ぜひ浄財を納めてください!金額は決まっていないので、気持ちだけ入れるといいと思います。集まった浄財は環境保全に役立てられます。
浄財を収める箱はお地蔵さまの横にあります。
周辺は五畿七道の 1つ「東山道」の駅(うまや)として栄えた場所
弁天の清水は、 小諸市の”諸(もろ)“と呼ばれる地域にあります。
諸の周辺には、西原(にしばら)、菱野(ひしの)、後平(うしろだいら)、滝原(たきばら)という地名があり、 これらをまとめて”大里(おおさと)地区“と呼んでいます。
大里地区は小諸市の発祥の地といわれているそうです。弁天の清水の湧水を生活の糧として、人々の生活が始まったのだとか。
大里地区には東山道(とうさんどう)の駅(うまや)の跡が残っており、かつて経済や文化が行き交う場としてにぎわったことを物語ります。
駅の名前は”清水駅(しみずのうまや)“。この地に豊かな水源があり、それとともに栄えたことを意味するのではないでしょうか。
東山道は五畿七道(ごきしちどう)の1つ。五畿七道は、律令時代の地方行政区画(大和、河内などの5カ国)および7つの官道(幹線道路)をいいます。
七道には、東山道のほか、東海道、北陸道、山陽道、山陰道、西海道、南海道があります。官道には、駅(うまや)と呼ばれる、中央の役人などに宿と食糧を提供する施設が30里(約16km)ごとに設置されたそうです。
駅の設置には乗用の馬や、水源の確保が条件であり、水が豊富だった大里地区は、最適な場所だったのでしょう。
清水駅跡は弁天の清水から900mほどの場所にあり、石碑が建っています。興味がある人は、水取りのついでに立ち寄ってみてくださいね。
清水駅跡方面から来る場合は、そのまままっすぐ山の方に向かって進み、左手にある農協ビルを過ぎたら左に入る道(「宅幼老所いずみ」という小さな看板が立っているところ)があるので、そこを左折して直進すると弁天の清水の真正面に出ます。
ミニバンクラスで通行できますが、すれ違いは無理です。道幅がかなり狭いので、気をつけてください。
先ほど紹介した道を行き過ぎても大丈夫!次の交差点を左に曲がって進めば、右手に弁天の清水が見えてきます。交差点付近に看板があるので、わかると思います。サンラインや国道18号方面からいらっしゃる場合も、看板を目印に進みましょう。
アクセスマップ
・名称 | 弁天の清水(べんてんのしみず) |
・利用時間 | 24時間 |
・住所 | 〒384-0043 小諸市大字諸250 |
・駐車場 | あり |
現地までは、細い道路の住宅街を抜けていきます。車でのすれ違いが厳しいので、通行には十分気をつけてください。また、付近の小学校に通う子どもたちの通学路にもなっているようなので、通学時間帯は避けるようにとの注意書きもあります。